風結いについて

風と土が出会う場所

琵琶湖に注ぐ安曇川の中流域、比良山系北端の山麓にたたずむ「風結い」は、地域の農や食、山の恵みなどを体験する施設として、解体寸前の伝統的な古民家を移築再生して甦らせたものです。豊かな森林に囲まれた暮らし空間は、懐かしさとともに未来を感じさせてくれます。

火のある暮らし、湧水の利活用、昔ながらの手しごとなど地域に根付いたなりわいを残す一方で、自然エネルギーを活用した暖房や給湯や地域産木材を使った建築、地元の工芸作家の作品を活かした空間づくりなど未来につながるこだわりを大切にしています。

社会全体が、経済と情報の大きな波のうねりに翻弄される時代にありながら、淡々と繰り返される四季の移ろいと共に、ここで体感することのできる土に根差した昔ながらの暮らしの原点には、持続可能な真の豊かさと希望が眼の前にひろがっています。

築150年の古民家を地域産材で再生​

風結いは、長浜市にあった解体寸前の伝統的な築150年にもなる古民家を、現代の暮らしにも適応した空間として移築し、地域産木材を使って伝統工法によって再生した、欅(けやき)で組まれた建物です。外部は8寸勾配の端正な切妻の大屋根が印象的です。

今となっては、なかなか手に入れることの出来ない1間半もある近江箪笥(水屋)を再利用するほか、信楽焼と集落在住の陶芸作家による手洗い鉢や高島在住のガラス作家によるランプシェード、冬場には欠かすことの出来ない薪ストーブや薪ボイラーによる土間の床暖房システムなど、環境負荷の少ない新しい暮らし空間を実現しました。

森と琵琶湖を未来へつなぐ​

淀川水系約1450万人が飲むといわれる琵琶湖の水のおおよそ3分の1が、ここ高島市から琵琶湖に注がれています。森林は「緑のダム」とも呼ばれ、水源のかん養、山地災害の防止、地球温暖化の防止など多面的な役割を果たし、びわ湖の水環境を守ることにつながっています。

高島市の森林面積は市の陸地面積の72%を占めており、戦後の拡大造林で植林された針葉樹は利用可能な段階を迎えつつありますが、近年では林業者の高齢化や木材価格の低迷により、森に人の手が入らなくなっています。

私たちは、建築材や熱エネルギー(薪ストーブや薪ボイラー)として高島市内の木材を利用することで、琵琶湖の水を守ることに少しでも貢献していきたいと考えています。土間の下にはチューブ管が配され、薪ボイラーで沸かしたお湯を循環させることによって、土間を温める床暖房の設備を設けています。